環境負荷物質に頼らない「スーパーグリーンガラス(NA32SG)」の実現
環境問題が表面化した近年、欧州の特定有害化学物質使用禁止指令(RoHS指令)をはじめとして、廃電気電子機器リサイクル指令(WEEE指令)、欧州廃車指令(ELV指令)等、ものづくりにおける環境負荷物質の使用規制が世界規模で行われています。AvanStrateでは地球環境に配慮した環境理念と環境方針を定め、環境改善活動を積極的に推進しています。その一環として挙げられるのが、環境負荷物質を一切使用しない「スーパーグリーンガラス(NA32SG)」の開発です。
通常のガラス製造の過程では、溶融中に発生する気泡を抜く目的で、環境負荷物質が使用されます。しかし、液晶ディスプレイ用ガラス基板は最終製品が一般消費者に使用されることもあり、人体や環境への影響を排除するため、環境負荷物質を使わずに製造することが要求されるようになっています。
当社では企業としての社会的責任を考慮し、炉の構造自体と気体燃料および電気加熱の供給バランスを見直すことで、特定の環境負荷物質に頼ることなくガラスの品質を維持できる技術の確立に成功。現在では、特定の環境負荷物質を含まない「スーパーグリーンガラス(NA32SG)」を主力商品としています。
CO2排出量を抑制した「スーパーグリーンガラス溶解炉」
一般的にガラスの溶解には重油やガスを燃焼させた熱を使用しますが、スーパーグリーンガラス溶解炉では、環境に配慮して、電気加熱を主とした加熱方法を実現しています。電気による加熱は、燃焼による加熱に比べて加熱効率に優れており、エネルギー使用量を節約することができるほか、CO2排出量も大きく削減できます。さらに、燃焼による加熱においても、ガス、純酸素を用いることで、空気の80%を構成している窒素を排除し、窒素が高温下で酸化されて発生るサーマルNOx(窒素酸化物)を抑制しています。熱効率も向上するため燃料使用量を削減できるほか、CO2の排出量も抑制します。